匿名性の高い仮想通貨とは?メリットやデメリット!Dash,Zcash,Monero,vergeなど・・・
仮想通貨は匿名性が高いから別に『匿名性の高い仮想通貨』なんて作る必要ないじゃん。と、ひと昔前の私なら思っていました。ただ、Bitcoin等を送った事がある方ならお分かりいただけると思いますが、自分のアドレスと送り先のアドレスはブロックチェーン上に記載されています。もし、このアドレスと個人情報が紐づいてしまった場合、保有資産などがばれてしまうリスクがあります。
※私の場合は保有している量がしれているので大丈夫ですが、相当な保有量をお持ちの方は保有量などを個人情報が紐づいてしまうと、犯罪に巻き込まれる等リスクがとても高くなります。実際、取引所の代表が誘拐されるなど事件も起きているので、たくさん保有している人は防犯対策もしないといけません。
匿名性をより強化し、第三者に分からない様に開発されたのが『匿名性が高い暗号通貨』です。
これら仮想通貨で有名なのは『Dash(ダッシュ)』『Zcash(ジーキャッシュ)』『Monero(モネロ)』です。※私はこれらを所有していませんが、一定の層からニーズがあるのは間違いありません。
今回はこれら匿名性の高いと言われる、仮想通貨の気になるポイントをいろいろまとめていこうと思います。
※5/26追記
コインチェックや韓国取引所korbitで上記3つの取り扱いが中止になります。
匿名性の高い通貨のメリットとデメリット
冒頭で少し触れましたが匿名性の高い仮想通貨にはメリットがあります。
ただ、裏を返せば紐づけされてはいけない人が保有する仮想通貨とも言えます。
メリット
・プライバシーの保護に役立ちます。
・企業などでブロックチェーン技術を使用する場合、セキュリティ面で個人情報保護などに有効活用できるでしょう。
デメリット
・使用する側に問題は無さそうですが、国や犯罪対策の観点からみると『マネーロンダリング』などに使用されたり、『脱税』などに使われる可能性がある為、そこがデメリットになる可能性があります。
匿名性の高い仮想通貨にはどんな種類があるのか?
匿名性の高い仮想通貨とは複数の種類があります。有名な通貨をいくつか紹介し、それぞれ簡単にまとめていこうと思います。
『Dash(ダッシュ)』
『Monero(モネロ)』
『Zcash(ジーキャッシュ)』
『verge(バージ)』
『Komodo(コモド)』
これらが有名なところではないでしょうか。※今後も多数匿名性の高い仮想通貨は出てくると思います。
これからそれぞれの簡単に特徴をまとめていこうと思います。
『Dash(ダッシュ)』とは?
2014年にEvan Duffield氏によって開発されました。大きな特徴は3つあります。
①Masternode Network(マスターノードネットワーク)を採用しています。
以前、IOTAの時に少し触れましたが、NEM(ネム)のスーパーノードやIOTAのコーディネーターみたいなものと私は捉えています。マスターノードの運用資格は1000Dashを保有している必要があります。全取引を記録しており、この情報を他のノードに情報共有し、その手数料一部を利益として得ることが出来ます。
②『Private Send(プライベートセンド)』と『CoinJoin(コインジョイン)』
取引額を0.01DASH、0.1DASH、1DASH、10DASHと分割し、CoinJoinを用いた取引によって取引から個人を特定出来ない様な仕組みになっています。分かりにくいので簡単に言うと『複数の取引がマスターノード内で一つにまとめられて、それが一つのトランザクションとしてみなされること(コインミキシング)』と言いましょう。
③『InstantSend(インスタントセンド)』
即時決済の機能です。Bitcoinでは一つの承認作業に10分かかりますが、Dashの場合、10個のマスターノードの内6個が承認すれば取引が承認される仕組みをとっている為、取引が1秒間に5回取引できるという特性があります。
※ユーザーが増えてきたら変わる可能性があります。
『Dash(ダッシュ)』のチャートは?
2017年12月30日のチャートです。参照元 : CoinGecko(https://www.coingecko.com/ja)
12月から大きく値上がりしています。
12月30日の仮想通貨の順位は9位です。参照元 : https://coinmarketcap.com/
匿名性の高い仮想通貨では上位にランクインしています。
『Dash(ダッシュ)』が買える取引所は?
国内だとcoincheckで購入出来ます。
※販売所で購入可能なので手数料が発生します。
海外取引所だとBinanceで購入可能です。
※日本円では購入できませんのでBTC等を送り取引出来ます。
『Monero(モネロ)』とは?
モネロも2014年に開発された通貨でエスペラント語(人工言語)で「コイン、硬貨」という意味です。
取引所での通貨通貨単位はXMRで、国威な取引所ではCoin chechで取り扱いがあります。
コンセンサスアルゴリズムはCryptoNoteを使用したPoWです。
モネロの特徴は2つあります。
①リング署名
通常の取引では自分の公開鍵と秘密鍵のセットで誰が署名したいのか判別できます。これに対して複数人の公開鍵を束ねて、誰が署名したものか分かりにくしています。更に利用者は様々なグループのリングに参加しているので更に特定しずらくなり、匿名性が高まります。
②ワンタイムアドレス
送る際は①リング署名で秘匿性が確保されても、送信側が特定出来ていまえば誰が受け取っている側の秘匿性は確保されていません。それを解消する為に各取引に対して1度だけ有効なワンタイムアドレス自動生成されるようになっています。
『Monero(モネロ)』のチャートは?
2017年12月30日のチャートです。参照元 : CoinGecko(https://www.coingecko.com/ja)
12月30日の仮想通貨の順位は11位です。参照元 : https://coinmarketcap.com/
『Monero(モネロ)』はどこで買えるのか?
国内だとcoincheckで購入出来ます。
※販売所で購入可能なので手数料が発生します。
海外取引所だとBinanceで購入可能です。
※日本円では購入できませんのでBTC等を送り取引出来ます。
『Zcash(ジーキャッシュ)』とは?
取引開始が2016年10月と他の匿名性の高い仮想通貨と比べて新しいです。
通貨単位はZECで、コンセンサスアルゴリズムはPoWで、発行上限枚数は2100万ZECです。
匿名性の高さが秀でており、※JPモルガンと連携をするニュースが出て話題になりました。
大きな特徴は『ゼロ知識証明』です。
暗号学において、ゼロ知識証明(ぜろちしきしょうめい、zero-knowledge proof)とは、ある人が他の人に、自分の持っている(通常、数学的な)命題が真であることを伝えるのに、真であること以外の何の知識も伝えることなく証明できるようなやりとりの手法である。ゼロ知識対話証明(ZKIP)とも呼ばれる。
引用: wikipedia ゼロ知識証明
この技術はZcash以外にも広く使われている方法で、第三者にトランザクションを公開せずとも整合性を保てるようになりました。ただし、匿名性が高くなった分闇サイト(アルファベイ)などで利用されたため、アメリカ政府が取り締まるなど、犯罪に使われるリスクが高くなります。
※プライバシー保護や企業で使用する際にとても便利である点は理解できたと思います。実際、JPモルガン(アメリカの大手投資銀行)は2017年5月22日『Consensus 2017』で、自社で開発中のエンタープライズブロックチェーンサービス『Quorum』にZcashの技術(ゼロ知識証明)を用いると発表し話題になりました。
『Zcash(ジーキャッシュ)』のチャートは?
2017年12月30日のチャートです。参照元 : CoinGecko(https://www.coingecko.com/ja)
12月30日の仮想通貨の順位は25位です。参照元 : https://coinmarketcap.com/
『Zcash(ジーキャッシュ)』はどこで買えるのか?
国内だとcoincheckで購入出来ます。
※販売所で購入可能なので手数料が発生します。
海外取引所だとBinanceで購入可能です。
※日本円では購入できませんのでBTC等を送り取引出来ます。
『verge(バージ)』とは?
ビットコインの発案者であるサトシ・ナカモト氏の思想を受け継ぎ、匿名性・透明性・オープンソースを重視した仮想通貨。
「レイス・プロトコル」と呼ばれる仮想通貨史上初の匿名化切り替え機能で利用者にプライバシーの選択肢を提供します。徹底的に実利用にフォーカスし、ネクストビットコインを目指しています。引用 : https://vergeliscus.com/
要はよりセキュリティ面で強化され、送金などが快適に行える暗号通貨です。
通貨単位はXVGで、総発行量は16,555,000,000 XVGです。
verge(バージ)には4つの特徴があります。
①プライバシーの為に複数の匿名性技術を採用
Torとi2Pなどの複数の匿名性技術を使ってセキュリティ保護を強化しています。
Torとi2Pは専門用語過ぎて理解がかなり難しいです。
Tor(トーア)はIPアドレスをやり取りしている相手に知られずに、ネットに接続したり、データを送信したりできる匿名の通信システムのことです。
Tor(トーア、英語: The Onion Router)とは、TCP/IPにおける接続経路の匿名化を実現するための規格、及びそのリファレンス実装であるソフトウェアの名称であり、P2P技術を利用したSOCKSプロキシとして動作する。Torという名称は、オリジナルのソフトウェア開発プロジェクトの名称である「The Onion Router」の頭文字を取ったものである。
Torのリファレンス実装は、WindowsやmacOS、Linux等の各種Unix系OSで動作する。Windows版では設定済みのTorとMozilla Firefoxをセットにし、USBメモリに入れての利用を想定したゼロインストールパッケージも用意されている。
Torは主として接続経路を匿名化するものであり、通信内容を秘匿するものではない。Torでは経路の中間に限り一応の暗号化を行っているが、経路の末端では暗号化が行われていない。通信内容の秘匿まで行う場合は、TLSなど(HTTPSやSMTP over SSLなど)を用いて、別途暗号化を行う必要がある。
引用 : https://ja.wikipedia.org/wiki/Tor
I2Pによって、ネットで誰かとやり取りする際に強固なプライバシー保護が出来るようになります。
I2P(The Invisible Internet Project: 「不可視インターネットプロジェクト」)とは、コンピュータネットワークによる通信の始点と終点を匿名化し、さらに端点間の通信内容も暗号化するという方法で匿名化されたネットワークを構成するソフトウェア、およびプロトコルの名称である。
I2Pにおける通信では端点は暗号化された識別子(公開鍵暗号の鍵ペアにもとづく)によってネットワーク上で一意に識別される。TCP/IPによる通信がホスト名(IPアドレス)とポート番号によって一意に識別される事と似ている。このI2Pの端点識別子からはIPアドレスを知る事ができないため、ネットワークの利用者、サービス提供者ともに匿名での通信が可能になっている。
I2Pは既存のTCP/IPネットワークの上にオーバレイされたネットワークとして機能する。I2PネットワークのAPIを直接使ったアプリケーションの開発が計画されているが、今のところ存在しない。かわりに、既存のアプリケーションをI2Pネットワークを通信路として利用できるようにするためのブリッジ(プロキシ)ソフトウェアI2PTunnelが提供されている。
引用 : https://ja.wikipedia.org/wiki/I2P
更にレイスプロトコルという技術を採用している為、取引ごとに利用者が情報の公開をON/OFFできる仕組みになっています。
バージはporn hub(ポーンハブ)にて使用可能に
バージはポーンハブで使用されることに!ポーンハブとは世界的な大手のアダルトサイトです。
良いイメージにはつながりませんが、利用シーンは広がっています。
バージが51%攻撃の対象に
何気にこの内容が一番危険な内容だと思っていますが、意図せずハードフォークを行い対策が不十分だったのが影響し51%攻撃にあったそうです。被害額は不明ですが、BTGやMONAなどのPoW系のコインが攻撃を受けています。コインのチェーンに問題があった場合や取引所の承認の問題など、一くくりに考える事は難しいですが、強力なパワーで攻撃を受けた点だけは共通事項として認識できます。
関連記事 : モナコインのブロックチェーンが改ざん?消えてなくなった?被害額は1000万程度・・
②公平な分配を確保する為に5つのアルゴリズムを採用
POW(Scrypt, x17, groestl, blake2s, & lyra2rev2)の5つのアルゴリズムを採用しいます。
③高速送金できる
Simple Payment Verification(SPV)という技術を採用することで、承認時間が5秒と高速送金できるようになっています。
更にTwitterなどでも投げ銭機能もある為、とても手軽にやり取りができます。
④開発コミュニティが盛ん
バージリスクという公認キャラが説明していますが、コミュニティは充実していそうです。
Vergeの開発・運営・マーケティングに関わるコミュニティメンバーは、Vergeの思想に共感したボランティアで成り立っています。特定の営利団体や国家の政治的圧力に左右されない、国境なき自由な仮想通貨を目指し、世界中のボランティアコミュニティが協力しています。また、ネットワークや開発を支えるためにかかる費用は、Vergeファンによる募金で成り立っています。もちろん、次世代通貨への投資として。
引用 : https://vergeliscus.com/
『Verge(バージ)』のチャートは?
2017年12月30日のチャートです。参照元 : CoinGecko(https://www.coingecko.com/ja)
※JPYでなく対BTCレートです。
12月30日の仮想通貨の順位は20位です。参照元 : https://coinmarketcap.com/
『Verge(バージ)』はどこで買えるのか?
国内だと購入できません。
海外取引所だとBinanceで購入可能です。
※日本円では購入できませんのでBTC等を送り取引出来ます。
『Komodo(コモド)』とは?
分散型ICOプラットフォームを提供している仮想通貨で、このプラットフォームのことをdICOと呼びます。
通貨単位はKMDで最大供給量は200,000,000 KMDです。アルゴリズムはDelayed Proof of Workを採用しています。
公開日が22016年9月1日です。
Komodo(コモド)の特徴は?
①Zcashのゼロ知識証明を採用しており、匿名性が高い仕様になっています。
②Delayed Proof of Work(遅延作業証明)というアルゴリズムを採用しています。
Delayed Proof of Workは、既存の複数のメソッドを1つのハイブリッドコンセンサスシステムで使用する。それはBitcoinのPoWによってセキュリティを保ちつつ、同時にPoSと同等にエネルギー効率に優れている。 このようにdPoWは、弱々しいブロックチェーンであってもBitcoinのハッシュレートの恩恵が得られ、それと同時に、Bitcoinのエネルギー活用をよりエコにする。Bitcoinに加えてdPoWのエコシステム全体のセキュリティを保つという意味だ。
引用 : https://qiita.com/Nxtima1/items/520b6d704e7f36289fe3
③開発パートナーが魅力的
戦略的パートナーとして『Monaize』がついています。
Monaizeは、フリーランサーや中小企業向けのモバイル初の当座預金を提供するヨーロッパのeバンキングプラットフォームです。MonaizeはインスタントKYB(Know Your Business)登録プロセスを提供し、ユーザーはスマートフォンで5分もかからずに法人当座預金を作成できます。
技術的なパートナーとして『SuperNET』という組織と協力しながら開発を進めています。
SuperNETとはブロックチェーン技術を活用して企業向けのインフラを構築し、OSSで多くの人がサポート出来ます。要はブロックチェーンのインフラを作るプロジェクトと理解してください。
通貨単位はUNITY
アルゴリズムはdelayed Proof of Workで、発行日は2015年11月16日です。
詳細は公式ページをご覧ください→https://supernet.org/en
『Komodo(コモド)』のチャートは?
2017年12月30日のチャートです。参照元 : CoinGecko(https://www.coingecko.com/ja)
12月30日の仮想通貨の順位は33位です。参照元 : https://coinmarketcap.com/
『Verge(バージ)』はどこで買えるのか?
国内だと購入できません。
海外取引所だとBinanceで購入可能です。
※日本円では購入できませんのでBTC等を送り取引出来ます。
まとめ
匿名性の高い仮想通貨は複数種類があり、今後も企業向けのサービスやセキュリティ面などの需要で伸びる可能性は高い。
但し、各国のマネロン規制が入って取引出来なくなるリスクもあるし、闇サイトで使用されているものもある。
セキュリティ面やプライバシー保護は今後もかなり重要になると思うので、技術としては注目を浴びる可能性が高い。
匿名性の高い仮想通貨で有名なのは『Dash(ダッシュ)』『Zcash(ジーキャッシュ)』『Monero(モネロ)』などがある。
匿名性を高くする技術も多数あり、ゼロ知識証明などはJPモルガンなど大手もブロックチェーンに採用しようとしている。
匿名性の高いコインも魅力があるので、気になる方は持たれてもよいかもしれません。
※投資は自己責任でお願いします。
2件のコメントがあります