【成長ホルモンと男の関係】メンズエイジングケアのポイント
『成長ホルモン』と聞くと身長が伸びるために必要というイメージが強く、エイジングケアや美容などと関係ないように感じる方も多いと思います。
実は成長ホルモンとは生涯付き合っていくパートナーであり、我々男性にも関係が深く、代謝を促したり、筋肉を増加させたり、脂肪を分解するなど美容や健康に関係しています。
今回の記事では、
・成長ホルモンとは何か?
・成長ホルモンが与える効果や影響は?(美容や健康)
・成長ホルモンを増加させるには?(睡眠や運動など)
・成長ホルモンを増加させる為に有効なサプリメント(成分)などあるのか?
・成長ホルモンが正しく分泌されているかどうか?
・検査や治療はできるのか?
以上の内容を紹介していきます。
成長ホルモンとは?
人間の中には100種類以上の成長ホルモンがあり、体の様々な機能をコントロールしてくれています。
成長ホルモンと聞くと『身長を伸ばすためにある』ような印象を受けますがそれだけではありません。
代謝を促す役割があったり、大人になっても必要になってきます。
成長ホルモンの正式名称はヒト成長ホルモン(hGH)と呼びます。
主な役割を箇条書きすると、
・やる気の増加
・集中力の増加
・筋肉量の維持や増加
→タンパク質が効率よく合成されて筋肉量を増加しやすくなります。
※最近の研究だと成長ホルモンが筋肉の肥大には成長ホルモンによって肝臓から作り出された『IGF-1(インスリン様成長因子)』が影響しているといわれています。
・脂肪の分解を促進する
→脂肪細胞内にある中性脂肪を分解し、血液中分解した遊離脂肪酸を放出します。
この脂肪酸は「肝臓」や「筋肉」などで分解されるため、体脂肪が減少します。
遊離脂肪酸は肝臓に運ばれてエネルギーの源になります。
・コラーゲン繊維形成
また、肌艶にも関係しているのが成長ホルモンなのでとても大切です。
・骨を強化する
骨の形成、肌のターンオーバーなどにも関係しているため大切なポイントです。
上記以外にも様々な役割があります。
そもそも成長ホルモンとは特定器官の細胞に指示を与える伝達物質のことです。
脳から出た指示を受け取り、脳下垂体より成長ホルモンが分泌されます。
ここから送り出されたホルモンが肝臓などの器官に送られて代謝を促します。
肝臓では成長ホルモンによってIGF-1(インスリン様成長因子)を作り、これが体中に行きわたって代謝を促します。
また、タンパク質合成を促し細胞増殖を促す働き(アナボリック作用)によって骨、筋肉、各器官が発達し保持できるようになっています。
残念なことに成長ホルモンは加齢と伴に減少していきます。
成長ホルモンが成人男性や美容与える効果とは?
成長ホルモンはエイジングケアに効果があると言われています。
先ほどの代謝の例でお伝えしましたが、体のあらゆる事に成長ホルモンが関与しています。
肌を健やかに保つには潤いや弾力、ハリなどが大切になってきますが、これらを支えるのはヒアルロン酸やコラーゲンなどです。
成長ホルモンによりこうした肌を修復する機能があったり、美肌成分を分泌する細胞を促進したりする働きがあるため、美容と関係が深い物質になります。
美容に特化した成長ホルモンの役割を箇条書きすると、
・骨や筋肉を保持
・アナボリック効果によって臓器や骨、筋肉が成長し発達を促す
・皮膚や毛髪を作る
・糖の代謝を正常値を維持して血糖値を正常に保つ
・脂質の代謝を促し、脂肪がたまらない様にする
・傷の治りを促す
・精神的に安定を促す
など効果は様々です。
成長ホルモンを増加させるには?
生活習慣と関係している為、分泌されるタイミングを知って生活リズムを整えることが大切です。
また、睡眠以外にも成長ホルモンが分泌されるタイミングも紹介しています。
成長ホルモンは睡眠中、特にノンレム睡眠時(深い睡眠)に多く分泌されると言われています。
寝入りの30分~90分程度が深い眠りになり、成長ホルモンが最も多く分泌されるタイミングと言われています。
つまり質の高い睡眠が成長ホルモンの分泌にも大いに影響しています。
【睡眠は量ではなく質が大切】できることから始めよう!で睡眠についてまとめていますのでよければ参考にしてみてください。
深い睡眠をとるコツを簡単にまとめ
・睡眠のリズムを整えること
不規則なり生活リズムは睡眠も浅くなります。
就寝時間や起床時刻のリズムを整えていくことが重要なポイントです
また、朝なるべく日光に当たる様にしましょう。
・睡眠に入る1時間~2時間前にお風呂に入る
体温が下がり始めると睡眠に入りやすくなる為、睡眠直前よりも睡眠予定時刻のある程度前に入浴した方が良い。
・寝具を整える、リラックス効果のアロマなどもおススメ
リラックスしやすい環境をつくることが大切です。
・就寝前のスマホやPCは控えましょう。
リラックスの妨げになり、睡眠の質が低下します。
興奮状態になり寝つきが悪くなります。
・15時以降に昼寝をしない、昼寝を長くしすぎない
15時以降の昼寝は睡眠の質を下げる傾向があります。
電車の移動中などについついうたた寝をしてしまうこともあると思いますが、意識してなるべく我慢しましょう。
成長ホルモンの分泌される時間帯はあるのか?
美容系の情報を見ると『ゴールデンタイム』という言葉を見たり、聞いたことがあると思います。
夜10時から深夜2時に睡眠をとると、一番成長ホルモンが分泌されて良いと言われている時間のことです。
最近はこの情報が誤りであると言われています。
先ほど紹介した通り、成長ホルモンは睡眠の深い時に分泌されます。
更に寝始めた30分~90分が一番多く分泌され、寝始めて3時間の間が多く分泌されます。
最初の3時間の睡眠が深ければ、成長ホルモンをたくさん分泌できているということになります。
深い睡眠をとる為には先ほど説明した睡眠のリズムを整えることが大切です。
ゴールデンタイムでは無いですが、コアタイムと呼ばれている時間があり、0時までに睡眠をとり3時頃までがコアタイムと呼ばれています。
運動中も成長ホルモンが分泌される
睡眠時に多く分泌されると言われていますが、運動中でも成長ホルモンが分泌されます。
運動時に発生する乳酸が成長ホルモンの分泌を促してくれると言われています。
乳酸を多く分泌する為には加圧トレーニングが良いと言われています。
加圧トレーニングは自分で行うのが難しいので、原理が似ているスロートレーニングもおススメです。
自宅で行う場合は恐らくスロートレーニングの方が向いています。
これはゆっくり時間をかけてトレーニングするといった内容です。
こうすることで筋肉に大きな負荷がかかっていると錯覚させて筋肉の成長を促進します。
スロートレーニングのポイントは、
・正しいフォームで行うこと
・ゆっくりとした動きで行う事
・ノンロック(負荷を維持し、筋肉に休みを与えない事)
が重要です。詳しくは動画を見てもらった方が早いと思います。
※動画はいっぱいあります。
基本的な有酸素運動(エアロバイクなど)も成長ホルモンに効果的と言われています。
空腹時もホルモンが発生している
空腹時は「グレリン」というホルモンが分泌されます。
このグレリンが成長ホルモンの分泌にも関与しています。
空腹時は間食はしない方が良いです。
また、成長ホルモンの栄養はタンパク質です。
良質なタンパク質を摂取する場合は肉や魚がおススメです。
ただ、栄養は相互的に作用するのでバランスの良い食事を意識しましょう。
また、空腹時は低血糖症状を解消しようと肝臓でグルコースが生成され、成長ホルモンを多く分泌するとも言われています。
成長ホルモンの分泌の阻害の原因は?
加齢によるもの
成長ホルモンは思春期がピークでそこからは減少していきます。
これは抗えない事実なのでその他の要因に注目してきましょう。
ストレス
ストレスは本当に万病のもとですね。
まわりまわってIGF-1(インスリン様成長因子)の分泌を阻害します。
アルコール
また過度のアルコールも良くないと言われています。
肝臓に成長ホルモンが働きかけ成長因子を分泌するので、肝臓が不健康なのはNGです。
ご存知の通り、アルコールは肝臓で分解されます。
肝臓を酷使すると成長因子の分泌が悪くなるので過度な飲酒はNGです。
成長ホルモンを増加させるサプリ(成分)はあるのか?
アミノ酸の中には成長ホルモンの分泌に役立つものがあると言われています。
アルギニンやオルニチン、シトルリンはアミノ酸の一種ですが、これらを摂取することで成長ホルモンの濃度が増加すると言われています。
※「身長を伸ばす効果がある」と宣伝されているサプリメント等に関する学会の見解(2013年3月29日公表)
上記の専門機関の内容を拝見すると、サプリメントを飲んでも効果はなかなか出ずらそうに感じます。
サプリメントの効果は絶対とは言い切れないのでご注意ください。
成長ホルモンを注射する美容方法もありますが、費用は数万円となかなか高額です。
以下では成長ホルモン分泌に役立つと言われている成分を紹介します。
アルギニン
成長ホルモンを分泌させるにはアルギニンが効果が高いと言われています。
ただ、アルギニンだけではなく、シトルリンと一緒に摂取することで効果を高めることができます。
アルギニンは吸収率が悪く、シトルリンと一緒に摂取することでこの問題を解決できるとイグナロ博士が発見しました。
ルイ・イグナロ(Louis J. Ignarro、1941年5月31日 – )はアメリカ合衆国の薬理学者。イタリア系アメリカ人。1998年にロバート・ファーチゴット、フェリド・ムラドと共に循環器系における情報伝達物質としての一酸化窒素の発見の功績でノーベル生理学・医学賞を受賞した。
引用 : Wikipedia
アルギニンとシトルリンは2つ揃って影響を強めます。
シトルリンは体内でアルギニンに再編成され、シトルリンはアルギニンへ再編されるようにペアで影響しあっています。なので併用することが大切です。
アルギニンサプリは運動時以外に飲み、成長ホルモン増加に役立てることをお勧めしています。
アルギニンを摂取することで期待できる効果は、
・筋肉増加
・エイジングケア
・疲労回復
・免疫力アップ
・美容効果など、
様々な効果を期待できます。
また、アルギニンにはストレス行動を抑える効果があると言われています。
食品でアルギニンを取る場合は豚肉、大豆、鶏肉、魚介類、ニンニク、小麦などに含まれています。
シトルリン
遊離アミノ酸の一つでスイカから発見されました。
血管拡張作用があり、血流を上げる効果が期待できます。
シトルリンが増えるとアルギニンが増えます。アルギニンが増えると一酸化窒素濃度が上昇し、血管が拡張し血流量が増えることで運動性能が上がります。
また、運動で生じる乳酸やアンモニアなどを除去し、エネルギーを作り出すことを促進します。
こうした動きにより成長ホルモンが分泌されるなど反応が起こります。
シトルリンを食事で摂取する場合はスイカ、メロン、冬瓜、キュウリ、などがありますが、摂取できる量が微量なため、サプリメントの活用をおすすめします。
オルニチン
オルニチンもシトルリンと同じく遊離アミノ酸の一種です。
オルニチンには睡眠を深くさせる効果(ノンレム睡眠延長効果)があると言われており、成長ホルモン分泌には欠かせない睡眠です。
また、オルニチンは体内で吸収されアルギニンに変化すると言われている為、アルギニンを摂取した方が効率的なようにも感じます。
オルニチンを食事で補う場合はしじみが有名です。
・ナイアシン・グリシン・グルタミンも成長ホルモンが増加に効果があるとされている成分です。
成長ホルモンを注射とは?
加齢とともに低下する成長ホルモンはサプリメントなどで補いにくいので、注射をして直接補給できます。
海外セレブの間で流行っていた美容法ですが、国内でも取り扱うお医者さんも増えてきており、比較的手軽に注射することが可能になっています。
クリニックによっては問診後に自宅にペンシル型の注射器が送られてきて、お医者さんの指示に従い自宅で注射できるようなサービスも存在します。
成長ホルモン注射から得られる効果は?
あくまで得られるであろう効果になります。
専門のクリニックの公式サイトなどを参考に得られる効果を箇条書きにします。
・肌や髪の若返り
・免疫力増加
・体脂肪減少
・更年期障害の緩和
・活力の向上
などが主な効果として挙げられています。
成長ホルモン注射の費用は?
これはクリニックによって若干の価格差があります。
1か月の目安が70,000円程度です。
これ以外に定期的な血液検査代金や注射器の購入代などがかかります。
トライアルキャンペーンなどもあります。
一般的な治療法に比べて、高額になります。
成長ホルモンの分泌不全とは?
成長ホルモンの分泌不全になると、どんな症状が現れるのでしょうか?
あくまでも医療系サイトに書いていある事例を紹介したものなので、必ず専門医療機関に相談しましょう!
『下垂体性小人症(かすいたいせいこびとしょう)』
小児に現れる症状で、成長ホルモンの分泌が足りず、身長などが伸びない症状です。
成長ホルモンの分泌が過剰の場合
『先端巨大症』
脳下垂体に出来た腫瘍が原因と言われており、部分的に大きく成長してしまう症状です。
多くの場合は30歳~50歳の骨の成長が止まっている時に、
時間をかけて症状(手足が大きくなる、顔つきが変化するなど)が現れるため気づきにくいそうです。
原因としては脳下垂体にできた腫瘍が関係していることが多いそうです。
参考サイト : 気づきにくいホルモンの病気「下垂体・成長ホルモンの病気」
成長ホルモン検査・調査を行うには?
成長ホルモンの分泌について気になる方は専門機関に相談しましょう。
素人アドバイス受けるよりも必ず専門医療機関に相談された方が良いです。
先ほどの成長ホルモンの分泌が過剰の場合は5年~10年かけて現れるそうです。
まとめ
いかがだったでしょうか?
成長ホルモンと人はずーっと付き合っていくパートナーです。
成長ホルモンの分泌は美容にも大きく関係しており、高額ですが成長ホルモンを注射する美容方法もあります。
注射はお金に余裕のある方に限られます。
我々が簡単に実践できることは睡眠の質を上げることや運動をすることだと判明しました。
睡眠の30分~90分が一番成長ホルモン分泌が多くなると言われており、0時~3時はコアタイムと呼ばれている。
サプリメントもありますが、効果を保証したものではない為、注意しましょう。
効果があると言われている成分は「アルギニン」「シトルリン」などが主流。
また、成人になって成長ホルモン分泌が過剰の方は気づきにくく、少しでもおかしいと思ったら専門の医療機関に診断してもらうようにしましょう。
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